第12回目の開催となる「OPEN PITCH Vol.12」も、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、完全オンラインでの開催となりました。
全国の若手起業家5名と東京の審査会場をオンラインツールで繋ぎ、全国各地からの同時参加をリモート環境下で実現しています。
今回も様々な産業から、ユニークなバックグラウンドを持つ若手起業家が集まった回となりました。
前回同様、若手起業家が抱く社会的課題への深い考察やその解決を目指したビジネスアイデアの共有、そしてメンターとの有意な議論を通じて、デジタルビジネスの重要性とさらなる可能性を確信する1日となりました。

 「OPEN PITCH」選考方法

「OPEN PITCH」は、若手起業家のビジネスアイデアと事業創造に精通した審査員の知見を相乗させることで、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を追及し、実現へ向けてのスピードを加速させるためのコンテストです。
まず、若手起業家が独自のビジネスアイデアを発表します。
次に、審査員である各メンターと順番に1対1で議論し、当初のビジネスアイデアにさらに磨きをかけます。
そして、複数回のメンタリングにより研磨されたアイデアを再度発表し、その内容に基づいて、審査員が優勝者を決定します。
前回に引き続き、今回の「OPEN PITCH Vol.12」も、多様な観点から社会的課題を捉え、ビジネスに対する熱い志を抱いた参加者たちによるハイレベルなコンテストとなりました。
最終ピッチで大きく点を伸ばす方や、大胆なブラッシュアップを加える方が現れるなど、優れたアイデアがさらに突出する契機になったことが伺えます。

「OPEN Pitch Vol.12」審査員コメント

OPEN VENTURES株式会社  代表取締役社長  石井岳之

PoCの中で得たユーザーの声を基としたプレゼンには迫力を感じました。
その声を大切に今後のブラッシュアップに繋げて欲しいです。
ユーザーからすれば当たり前だけれども、自分が提供側となると意外と俯瞰的に見えておらず気付けていない部分が必ずあるので、
まだアイデア段階の方々はいち早くユーザーに使ってもらい、その結果をビジネスプランやロジックに詰めることでブラッシュアップを図って欲しいです。

DMM VENTURES　インベストメントマネージャー　森弘慶

今日は自分自身もとても勉強になりました。
成功する事業を色々と見ていて思うのは凄い技術や革新的なアイディアで成功することは稀で、「細かいところが少し他よりも良い」そういった違いで事業の成否が分かれていると感じます。
だからこそ皆さんにも細部に拘って事業をしてほしいと思います。
事業に一番時間を使っているのは起業家です。これからも沢山アドバイス貰うと思いますが、極端に言うと良いと思ったものだけ取り入れて直進する。そういった心掛けでいて欲しいと思います。

マネックスベンチャーズ株式会社 インベストメントマネジャー 　永井優美

自分の事業には愛着が湧いてしまうからこそ、事業方針を変え辛くなるがちです。
でも若いからこそ、長期的に見た時大胆にピボットしたと方が良い場合もあります。
市場についてなど具体的な数字を集めるときには気持ちのいい数値だけ見ないでしっかりと客観視してほしいと思います。
そうすることで、投資家に対して理論武装するための数値ではなく、全員がWin-Winになり確信の持てる数値を集めることに繋がり、その後のエネルギーや信念になります。
そうすれば今後更にによくなると思います。応援しています。

株式会社サムライインキュベート Capitalist　齋藤武仁

面白いアイディア、凄い技術も重要ですが主語を目の前のユーザーにできているかを重要視してほしいと感じました。「具体的に今すぐにでもこのサービスを欲しいと思うのは誰でどんな特徴を持っているのか」「どうゆう課題やニーズを抱えていて、そのユーザーのおおよその行動フローはどうなっていて、そこにおける各行動フローのペインはどうなっているのか」そういったところが見えるようユーザーの解像度を上げて欲しいです。

OPEN VENTURES株式会社  アソシエイト 今泉 滉平

ユニークなインダストリーでの取り組みやプロダクトが多く、応援したくなる素晴らしい起業家の方々だと感じました。
まだまだユーザーのセグメントや課題設定などの仮説が荒い方もおられるので、仮説検証をした際にその検証結果をブラッシュアップに最大限活かせるよう課題の粒度をあげ、
少しでも早くユーザーの生の声を集める取り組みへと繋げて欲しいと感じました。
思い通りに行かない困難もあるかと思いますが突破して突き進んで欲しいと思います。

特別ゲストコメント

株式会社メディアインキュベート 代表取締役社長  浜崎正己

ユニークな起業家のお話やメンターのフィードバックはとても学びになりました。
100分のブラッシュアップでも大きく変わるところを見て成長の早さに驚かされると共に、起業家の方々に無限の可能性を感じました。

「OPEN Pitch Vol.12」結果発表

【優勝/ベストプログレス賞】株式会社リスポ 代表取締役社長 黍田龍平さん

「OPEN Pitch Vol.12」の優勝者は、株式会社リスポ 代表取締役社長 黍田龍平さんに決定しました。
今回のコンテストでは、優れたビジネスアイデアとして、全メンターからの支持を獲得し優勝となりました。
優勝に加え、本イベントにおいて、メンターからのアドバイスを基に事業アイデアの大胆なブラッシュアップを行ったチャレンジが称えられ、「BEST PROGRESS賞」が贈られました。
※BEST PROGRESS賞：起業家の事業プランに対し、本イベントにおいてメンターが助言をした結果、最終ピッチでの”成長”が最も大きかった起業家に送られる賞

株式会社リスポ『Respo』事業紹介

気軽に”ありがとう”を 感謝のインフラを創る

『Respo』は接客業向けのデジタルチップサービスです。
接客業は「➀FLPのコスト構造による人件費抑制」→「➁従業員のロイヤリティ定価」→「③接客力の低化」→「➃顧客来店率の低下」→「➀…」といったネガティブスパイラルを生む構造的な課題を抱えています。
『Respo』はこういった接客業の課題に対してチップ制度をデジタル上で導入することで解決を図ります。
日本は海外に比べ、チップ文化が浸透していないものの、クラウドファンディングサービスでのお応援購入が増加傾向にあることなどから、潜在的に人を金銭的に応援する文化が存在していることが伺えます。
サービスフローはQRコード読み取り→選択→送金と初めてのユーザーでも理解がし易いシンプルな設計となっており、既に一部の店舗での試験的な導入が決定しています。
『Respo』は本サービスを通じてデジタルチップの文化を醸成し「気軽に”ありがとう”を 感謝のインフラを創る」というビジョンの実現を目指しています。

株式会社リスポ『Respo』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
『Respo』公式Twitter：https://twitter.com/Respofficial

「OPEN Pitch Vol.12」の参加を終えて

優勝に満足せずこれからも事業を展開していきたいです。
今までも多く壁打ちをしてもらってきたが、今日初めての意見が多くて学びになったので、活かしていきたいと思います。

下記では、惜しくも受賞は逃しましたが、ハイレベルな闘いを繰り広げた若手起業家と事業概要について紹介します。

『Coachimize』東北大学工学部2年 山口椋さん

『Coachimize』事業紹介

現代の若返りを再定義し全ての人々に提供する

『Coachimize』は人生100年時代と言われている現代において、「いつまでも若くいたい」という多くの方が抱えている想いを実現するアンチエイジングオンラインサービスです。
東北大学スマート・エイジング カレッジの村田裕之特任教授とも連携し、食事・運動・睡眠についてアンチエイジングトータルケアを行うことで、本質的に若返ることを実現するアンチエイジングを提供します。
『Coachimize』は本サービスの提供を通じて「現代の若返りを再定義し全ての人々に提供する」というビジョンの実現を目指しています。

『Coachimize』山口椋さんについてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
山口椋　さん Twitterアカウント：@mukutafar

「OPEN Pitch Vol.12」の参加を終えて

FBをもらっただけでなく、他の起業家を見ての学び等多く得られるものがあったので、参加して良かったです。

株式会社FLASPO 代表取締役 中村紘也さん

株式会社FLASPO『FLASPO』 事業紹介

学生の社会経験の第一歩を提供する

『FLASPO』はWEB上で企業にアイデアを投稿することで賞金・スカウトが得られる学生向けプラットフォームです。
新卒採用市場は早期化、ジョブ型化、オンライン化といった急激な変化により、学生と企業の接点が減少しています。
それにより学生の企業理解機会の不足、適正判断難易度の上昇といった問題が発生しています。
そういった問題に対して『FLASPO』を提供することで、より早く、手軽に、継続的に学生と企業がオンライン上で接点を持つ機会を提供しています。
『FLASPO』は本サービスの提供を通じて、「学生の社会経験の第一歩を提供する」というビジョンの実現を目指しています。

『FLASPO』についてさらに知りたい方はこちらをご覧ください
『FLASPO』公式HP：https://flaspo.jp/

「OPEN Pitch Vol.12」の参加を終えて

サービスの方向性を迷っている中で、短時間で色んな方からアドバイスをいただけたので、色々な方向性を考えることができ貴重な経験になりました。

株式会社NuDiet 代表取締役 西谷真知さん

株式会社NuDiet『NuDiet』 事業紹介

挑戦する人々を健康から支える

人間が健康な生活を送る上で1日に必要な栄養素は32種とされています。
日々の食事においてはそれら栄養素をバランス接種することが大切だと理解はしていても、日々の忙しさから朝食を抜いてしまったり、手軽ににおなかを満たせるコンビニの食品を食べてしまうといったケースは少なくありません。
こういった不健康な食事や欠食は積み重なるとパフォーマンスの低下や体調不良などを引き起こします。
そこで株式会社NuDietは無添加の完全栄養食を開発しました。既に他社でも完全栄養食は販売されていますが、株式会社NuDietの製品は美味しさにも拘っており、無添加であることが特徴です。
現在（2021年7月時点）は7月中のリリースに向け最終試作に取り組んでいます。今後は味のバリエーションの拡充やユーザーの多様なニーズに合わてパーソナライズされた完全食の開発等を予定しています。
株式会社NuDietは本製品の提供を通じて「挑戦する人々を健康から支える」というビジョンの実現を目指しています。

株式会社NuDiet 西谷真知についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
西谷真知さんFacebookアカウント：https://www.facebook.com/masaharu.nishiya/

「OPEN Pitch Vol.12」の参加を終えて

製品の質にはこだわってきたが、人に伝えることが苦手だと改めて実感しました。
多くアドバイスをもらえてありたがったです。これからに活かしていきたいです。

株式会社AilaB 代表取締役CEO 佐藤律希さん

株式会社AilaB『REBASE』事業紹介

個性の分析で採用を加速

株式会社Ailabの『REBASE』オンライン・オフラインのあらゆるデータを独自のアルゴリズムで分析し、能力や性格、考え方などから転職者に合う企業を10社に絞ってレコメンドすることで、
転職活動の負担を可能な限り減らすことを目的としたエンジニア特化の転職スコアリングサービスです
『REBASE』は従来の転職サービスと異なり、転職者のスキル面だけでなく、転職先の起業とのカルチャーフィットについてもマッチングの要素として加味されるため、転職後1年間の離職率を大幅に下げることに成功しています。
また企業側が10分の登録作業（キャラクター診断）でエンジニアと面談が成立することもサービスの特徴です。
株式会社AilaBは”登録即面談”エンジニアスカウトサービス『REBASE』を通じて、「個性の分析で採用を加速」というビジョンの実現を目指しています。

「OPEN Pitch Vol.12」の参加を終えて

8分以内にまとめきれなかったことが悔しいです。
クリティカルなFBをいただけたので、次回以降に活かしていきたいです。

次回「OPEN Pitch」について

「OPEN Pitch Vol.12」は、ハイレベルな参加者が競い合うコンテストとなり、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を大いに感じる場となりました。
また、株式会社OPEN VENTURESのCVC事業に繋がる出会いもあり、次回のイベントにも期待が高まります。
次回「OPEN Pitch Vol.13」は、7月31日（土）に開催予定です。

『OPEN PITCH』は毎月開催を予定しており、随時参加者を募集しております。
参加を御希望の場合は下記のページより詳細をご確認の上、ご応募ください。　

過去のイベントが気になる方はこちらをご覧ください。

「OPEN Pitch Vol.10」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol10/

「OPEN Pitch Vol.11」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol11/

〈主催〉

株式会社OPEN VENTURES
https://open-ventures.fund/

〈モデレーター〉

株式会社ニューロマジック  取締役執行役員  木村隆二
https://www.neuromagic.com/