【インタビュー】話題のNFTプロジェクト『NeoTokyoPunks』に迫る!

【インタビュー】話題のNFTプロジェクト『NeoTokyoPunks』に迫る!

この記事ではNFTについて深堀りするコラムである。NFT特集第三弾である本記事では初のインタビュー記事となっている。

インタビューさせていただいたのは、NFTプロジェクト『NeoTokyoPunks』のコミュニティマネージャーTOMO氏(tomo_NFTComm)だ。同プロジェクトはイラストレーターのNIKO24(@fukusta343)による「アニメイラスト×サイバーパンク」がテーマの日本発ジェネラティブNFTプロジェクトだ。

※ジェネラティブNFT
コンピュータソフトウェアのアルゴリズムや数学的/機械的/無作為的自律過程によってアルゴリズム的に生成・合成・構築されるNFT

NeoTokyoPunks『NeoTokyoPunks』 Discordより

 

今年3月26日、27日に初となるプレセール、及びパブリックセールが行われた。パブリックセール開始後、mint上限数がわずか2分で完売となった。

そこで今回はこれからのプロジェクト展開も期待される『NeoTokyoPunks』についてコミュニティマネージャーのTOMO氏にお話を伺い、同プロジェクトの今後の展望について掘り下げていく。

同プロジェクトのNFTホルダーの方はもちろんのこと、NFT クリエイターやNFTプロジェクトの運営者、NFTビジネスに関心のある方など多くの方にとって読み応えのある内容となっている。

また、NFT特集第一弾、第二弾の記事ではNFTの基本知識やNFTプロジェクトの紹介、世界最大のマーケットプレイスOpenseaの解説や売買方法なども紹介している。気になった方は是非ご一読して頂きたい。

<NFT特集記事>

第一弾【徹底比較】NFTとは?トレンドの背景と話題のNFTゲームまで詳しく解説
https://open-ventures.fund/column/nft_0801/

第二弾【最新事例】NFT特集第二弾!世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSea解説や注目の海外NFTスタートアップ紹介
https://open-ventures.fund/column/nft_0802/

 

本インタビューは、2022年4月7日(木)にオンラインにて行われた。

 

インタビュー本編

NeoTokyoPunks『NeoTokyoPunks』 Discordより

 

―『NeoTokyoPunks』について教えてください

『NeoTokyoPunks』はイラストレーターのNIKO24さんが始めた「アニメイラスト×サイバーパンク」がテーマのジェネラティブNFTプロジェクトです。「世界に日本のサイバーパンクのクオリティをみせる」をミッションに掲げて始めました。

今年2月にDiscordでローンチ後、3月26日にプレセール、3月27日にパブリックセールを行いました。当時のDiscordコミュニティ人数などから、mint数は合わせて2,222としました。正直少し多いかなと思っていたのですが、パブリックセール開始後わずが2分で売り切れて大変驚きました。翌朝売れ残っていたら自分でも買おうと思っていたほどだったので、嬉しい誤算でした。

NeoTokyoPunks『NeoTokyoPunks』 Discordより

『NeoTokyoPunks』クリエイターのNIKO24さんは昨年の2021年夏に狼を題材にしたNFTプロジェクト 『The Wolf』 を発表していますが、彼は同年秋に公開された 『Divine Anarchy (@divineanarchy)』というNFTコレクションにインスピレーションを受けました。これは 横顔 × ジェネラティブ NFTの代表的なNFTコレクションです。このコレクションから受けたインスピレーションが現在進行中の『NeoTokyoPunks』プロジェクトに繋がっています。

NIKO24さんと私の出会いもNIKO24さんの作品がきっかけです。私はNIKO24さんと出会う前からNIKO24さんが手掛けた 『The Wolf』のNFTコレクションを所有していました。そして次第にこのプロジェクトのコミュニティの運営を行いたいと考え、NIKO24さんにご連絡したことが出会いのきっかけです。それから『NeoTokyoPunks』がパブリックセールを行うまでに少しずつ運営メンバーが増え、6名の運営メンバーとファンの方々と一緒にリビールを迎えました。

※リビール
リビール前のNFTはいわばガチャガチャでゲットしたカプセルを所持している状態。手に入れたカプセルを開けるタイミングでどのようなNFTを所有したのか分かる。『NeoTokyoPunks』プロジェクトは4月1日にリビールを行った。

ーTOMOさんの『NeoTokyoPunks』プロジェクトにおける役割について教えてください

私は『NeoTokyoPunks』にコミュニティマネージャーとして関わっており、コミュニティの構築を担っています。具体的にはDiscordのシステム設計やコミュニティの活性化、運営チームの組成やプロジェクト管理などを担当しています。

Discordのシステム設計にプログラミングスキルは必要なく、Googleで調べながら設計を行いました。また、私はシステム系のコンサルティングファームでの仕事経験があり、その経験を今回のプロジェクト管理にもうまく活用しています。

ーTOMOさんはどのような活動をしていましたか(『NeoTokyoPunks』に関わる以前)

Discord

私が普段IT関係の仕事をしていることもあり、テクノロジーに関する新しい情報に多く触れる習慣があります。また、昨年頃から個人としても取り組める何か面白いコンテンツはないかと探していました。そうした中で、昨年の9月頃からNFTがトレンドになり、友人に勧められたこともあり、NFTを購入しました。これがNFTとの出会いです。NFTを購入したことで、よりNFTについて調べるようになり、一層その魅力を感じるようになりました。

それをきっかけに「NFTのコレクターか、NFT作品を販売する側か」といったような、今後自分自身がNFTとどのように関わるかを考えるようにもなりました。

NFTのコレクターは投資家的な要素が強く、アートの知識が豊富ではない自分には何が売れるかなどは判断が難しいため、今後も続けていけるという確信が持てませんでした。

そんな時、NFTコレクションのコミュニティ運営/プロジェクト運営がDiscordで行われていることを知りました。

元々、趣味であるサーフィンの社会人コミュニティの運営やオンラインサロンを開設した経験があり、自分自身が以前からDiscordを使っていたため、コミュニティー運営であれば自分の経験を活かせるのではないかと考えました。そして、最初に声をかけたのがNIKO24さんです。この出会いをきっかけに、これまでに10のDiscordコミュニティの運営に携わってきました。

ー『NeoTokyoPunks』プロジェクトはどのように運営していますか

NeoTokyoPunks『NeoTokyoPunks』ROADMAP

パブリックセールの時点では6名で運営していました。デザイナーのNIKO24さんをはじめ、コンテンツプランナー、コミュニケーションマネージャー、エンジニア、コンテンツリサーチャー、そしてコミュニティマネージャーの私というメンバーです。

基本的にはNIKO24さんのNFTアートに注目した今の運営メンバーが私の方に連絡をしてくださり、徐々に集まってきました。The WolfシリーズなどNIKO24さんの作品を通して繋がりが生まれています。

運営メンバーはそれぞれ別で本業の仕事をしていますが、多くの方はクリエイターと接する仕事をしています。クリエイターとの仕事経験が豊富な方々が集まったこともあり、プロジェクトを円滑に運営することができています。クリエイター自身が考える範囲と、運営メンバーも一緒に考える範囲の線引きを分かっている方々で運営できているのは我々の強みだと考えています。

パブリックセール販売後は運営に興味がある方へDiscordで呼びかけをしており、現在は十数名の規模で運営するようになってきています。

ー『NeoTokyoPunks』プロジェクトを進めていく上で、参考にしたプロジェクトはありますか

task

特に何か特定のNFTプロジェクトを参考にしたということはありません。

現在、私は『NeoTokyoPunks』だけでなく、複数のNFTプロジェクトのコミュニティマネージャーを兼任しています。こういったコミュニティマネージャーの取り組みを始める際には海外のNFTコレクションのDiscordチャンネルに入り、どのように運営されているのかやDiscordの機能などについて調べました。しかし、どのプロジェクトも基本的には他のNFTプロジェクトを参考にはしていません。というのも、コミュニティマネージャーとしてNFTプロジェクトのコミュニティを運営するうえで特に工夫していることが2点あるからです。

1つ目は「どういったカルチャーをつくるか」ということです。今回のプロジェクトの場合、NIKO24さんのつくる雰囲気を汲み取ってコミュニティ運営するようにしています。

NIKO24さんとミーティングする中で、他のNFTプロジェクトで実践されているような、いわば作品を販売するためのマーケティング手法のようなものにはあまり関心がないように感じました。その一方で、NIKO24さんは絵を書くことが純粋に好きであり、いい人であるということを話し合いを重ねる上で感じました。

そこで今後どうすればより活動しやすくなるかを考え、NIKO24さんのお人柄をベースにコンテンツ発信やコミュニティ運営を行っていきました。例えば、NIKO24さんが描いたデッサンをコミュニティ内で公開したり、運営メンバーの会議を音声で公開したようなことですね。

2つ目は「余白」についてです。コンテンツに集まってくれた人と一緒にカルチャーを構築していくためには、能動的に活動できるような余白をつくっておく必要があると思います。

実は『NeoTokyoPunks』のプロジェクトも当初かなりの余白がありました。NIKO24さんによる今の『NeoTokyoPunks』アートは存在していましたが、細かな世界観までは確立されていませんでした。最初から決まっていたことは、2050年に誰かにハックされてしまった東京を奪還するために立ち上がったというストーリーと、メタバースと連動するプロジェクトにするということです。NIKO24さんが考える世界観をベースに、コンテンツプランナーが世界観を深めていき、ファンの方々と共有しています。

ー『NeoTokyoPunks』プロジェクトを進めていく上で、苦労した点はありますか

task

新規の購入者にプロジェクトの本質的な価値を伝えることです。

パブリックセール直後、特に海外の方から多くのご意見を頂きました。直近にNFTを購入されたコレクターの方は基本的に短期的目線で、NFTを金融商品として考えている方もいらっしゃいます。実際にあったこととして、Floor Sweep(フロア スウィープ)を運営に要求されました。Floor Sweepとは、運営側がNFTアートの販売で得た利益を元手に、該当するNFTコレクションをFloor Price(最低価格)で買い占め、Floor Priceを高くするということです。これにより、NFTコレクターは所持しているNFTの価値が下がるのを防ぐことができます。いわば救済措置ですが、これはクリエイティブではないしそもそも本質的ではないと思います。

また現状の課題としては大きく2つあります。

1つ目は海外展開です。現状としてRarity SniperというNFTコレクションのレアリティ情報を公開するメディアからは連絡がありそちらに掲載しています。運営から海外NFTメディア等に直接アプローチする草の根的な方法をとることも検討しますが、基本的には日本で作り上げた『NeoTokyoPunks』のコミュニティを海外に紹介するようなかたちで展開したいと考えています。日本のサイバーパンクのクオリティを海外に展開していくにあたって気をつけていることは、NFTのデザインだけクオリティが高ければ良いわけではないという点です。デザインだけではなくコミュニティも大切な要素であり、おもてなし精神のもとジャパニーズクオリティで勝負したいと思っています。

2つ目はコミュニティカルチャーの言語化です。これは特に直近の課題でもありますが、現在NFTの価格が高騰しているため「価格」に対して熱狂が集まっています。しかしこの「価格」に対しての熱狂はいずれ収まると考えています。「価格」が落ち着いてきたとき、熱狂の対象が「価格」ではなく「コンテンツ」に向くようにマネジメントする必要があると考えています。それにあたって、コミュニティカルチャーの言語化は必要なことだと考えています。

(参考)
・Rarity Sniper  ー『NeoTokyoPunks』
https://raritysniper.com/neo-tokyo-punks

ー今後の展開について教えてください

cyberpunk

大きく3つのことを構想しています。

1つ目は、『The Sandbox』でコミュニティの方と一緒にLANDをつくり交流できるようにします。『NeoTokyoPunks』 NFT保持者の方のみLANDに入ることができ、LAND内で使える『NeoTokyoPunks』アバターも登場する予定です。

2つ目は、音声だけでメタバースを構築するAudio Metaverse社と手を組み、位置情報を活用したメタバースを構築することです。『NeoTokyoPunks』は東京を舞台にしたプロジェクトなので、『NeoTokyoPunks』 NFT保持者の方限定で東京に足を運ぶとメタバース体験ができるようにしたいと思っています。

3つ目は、Generative Story(ジェネラティブストーリー)という世界初の試みです。現在の一般的なジェネラティブNFTコレクションはレアリティで価値が変化しますが、Generative Storyは価値をレアリティではない新たな項目に代替する構想があります。

具体例として『NeoTokyoPunks』の世界観とマッチしたオリジナルストーリーに登場する人物が2,222個のNFTからランダムに選ばれ、物語が出来上がるといったことを考えています。選ばれたNFTはレアリティでの価値が低くても、数あるNFTの中からストーリーの登場人物として選ばれているので付加価値がつきます。ジェネラティブストーリーによって、既存のNFTに付加価値をつけていく試みです。ファンの方々がストーリーに沿って音楽や絵など創作できるようにしたいと思います。

(参考)
・Audio Metaverse
https://audiometaverse.com/

ーNFTコミュニティ運営をする方へ、何かアドバイスがあればお願いします

私はコミュニティは仲間集めだと考えています。コミュニティはこうあるべきだという文言を見かけることがありますが、型にハマらない方がいいと思います。

ー最後に、こちらの記事をご覧になった方へメッセージをお願いします

現在の盛況を受けて、コミュニティマネージャーとして取り組んだことはそんなに間違ってなかったのかというのが正直な感想です。ここまで多くの人に届いたのはNIKO24さんのアートやお人柄によるものがほとんどですが、運営の意思決定も間違っていなかったのかなと思っています。力を合わせてやっていきたいと思っています。

ーお忙しい中、取材にご協力いただき本当にありがとうございました。

まとめ

今回は『NeoTokyoPunks』のコミュニティマネージャーのTOMO氏をお招きし、本プロジェクトや今後の展望、NFTプロジェクトの運営など様々なことを伺うことができた。本職でのご経験を活かし、数多くのNFTプロジェクト運営を担われているTOMO氏だからこそ伺えたインタビュー内容であったと感じる。

『NeoTokyoPunks』はインタビュー後の現在も高い注目を集めている。昨年IOC委員に選出された元フェンシング選手の太田雄貴氏が同プロジェクトのNFTを購入したと公言したことは大きな反響が見られた。

今後、日本発サイバーパンクジェネラティブNFTプロジェクト『NeoTokyoPunks』がどんな世界を表現し魅せてくれるのか引き続き彼らの活躍に注目したい。

『NeoTokyoPunks』各種リンク

Official Site:https://www.neotokyopunks.com/

Twitter     :https://twitter.com/NeoTokyoPunks_NFTofficial?s=20&t=11SAdqxucUZPBrYUoZzxAA

Discord    :https://t.co/1b0ZXOY5gz

Opensea   :https://opensea.io/collection/neo-tokyo-punks-nft

 

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