最新版ベンチャーキャピタルランキング -VCとの出会い方も-

最新版ベンチャーキャピタルランキング -VCとの出会い方も-

最新版ベンチャーキャピタルランキング -VCとの出会い方も- 

導入

 ベンチャーキャピタルから出資を受けることを検討しているが、どのベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるべきか悩んでいる起業家もいるのではないだろうか。この記事ではベンチャーキャピタル(VC)の各カテゴリーのランキングを見ることを通して、ベンチャーキャピタル市場の理解を深めることが出来る。この記事は、以下のような人達の疑問を解決する。

・VCから出資を受けることを検討している起業家

・どのカテゴリーのVCから出資を受けるべきか迷っている起業家

・どの企業が大手VCとして見なされているか知りたい人

 本稿では、初めにそもそもVCとは何かを定義し、その歴史と仕組みを説明する。その上で、それぞれのカテゴリーに置けるベンチャーキャピタル上位3社を紹介する。VCはカテゴリーによって投資スタイルなどが大きく変わるため、本稿のようにカテゴリー別のランキングを見ることがVC市場全体のさらなる理解に繋がる。起業家にとってはカテゴリーの特徴を理解することによって自社にとって最適なVCを見つけることが出来る。

 最後に本記事の締め括りとして、どうすれば起業家が実際にベンチャーキャピタルと出会えるのかを記す。

ベンチャーキャピタルとは

 上場前の新しい企業(ベンチャー企業)に投資するのがベンチャーキャピタル(VC)である。

ベンチャー企業は、成長が期待される事業を行なっていても、担保が不十分で銀行などで融資を受けることが困難な場合が多いからである。ベンチャー企業に出資して株主を取得し、そのベンチャー企業が上場した際に株を売却することにより利益を得ることを目的とする投資会社や投資ファンドがベンチャーキャピタルである。

 ベンチャーキャピタルの中には、出資した企業の価値を高めるために経営コンサルティングなどのサービスを提供する企業も一定数存在する。

ベンチャーキャピタルの仕組み

[投資家⇄VC⇄ベンチャー企業]

 ベンチャーキャピタル(VC)の仕組みを一言で表すと、「投資家からお金を集めベンチャー企業に投資する」である。投資家が直接、ベンチャー企業に投資するという形ではなく、VCが間に入るのは、個人投資家が提供できる資金には限界があるからである。

 VCから出資を受けたベンチャー企業はVCに株式などを提供する。出資したベンチャー企業が上場した時に、提供された株式を高値で売却することによってVCは利益を得る。そしてその利益の一部を投資家に分配するのである。 

ベンチャーキャピタルの歴史

 ベンチャーキャピタル(VC)はアメリカで誕生した。1946年にボストンでハーバード・ビジネス・スクールの教授達によって設立されたアメリカ研究開発常人(ARD)がVCの起源である。資金調達に苦労していた新興企業に出資して、ニューイングランド地方の開発を促進。

 設立後、数々の厳選した企業に出資して、ロングテール投資(高リターンを得ることが出来れば他の損失を相殺できる)の正当性を立証したARDなどの初期のVCは東海岸が中心であったが、60-70年代になるとシリコンバレーを始めとする西海岸にも多くのVC企業が設立されていった。カリフォルニア大学などの名門大学の存在、シリコンバレー企業への軍事費投入、ハイテク業界の発展などがVCの西海岸進出を後押しした。70年代後半に年金基金がVCなどのオルタナティブ資産分野に投資可能になったことも大きな意味を持った。この頃からVCが現在と同じ形態を取るようになったとされている。

 VC企業はその後も順調に成長を続け、2000年代に入ると成長が加速。2021年、アメリカにおけるベンチャーキャピタル投資額は世界合計の6430億ドル(約73兆円)50%に迫る3299億ドル(約38兆円)を記録した。アメリカ以外の国でもVCは成長を続けている。前述の6430億ドル(約73兆円)は前年の3467億ドル(約40兆円)からほぼ倍増しとなっている。

ベンチャーキャピタル投資額ランキング

 日本には200社以上のベンチャーキャピタル(VC)が存在する。ここからはそれぞれの分野での各種主要3社を紹介する。

金融機関系ベンチャーキャピタル主要3社

・証券会社、銀行、保険会社などが母体となっている。

・投資数や資金金額が大きくなる傾向。

・比較的大企業への投資を行う。

三菱UFJキャピタル

主な投資先:スタディイスト、エアウィーブ、ビットフライヤー

投資実績:約95億円(2020年度)

IPO実績:900社超え

  • 2005年度以降、1400件・800億円を超える投資実績を誇る。
  • 幅広いステージのIT、ライフサイエンス、サービス、製造業など幅広い業種の企業に投資を行う。

SMBCベンチャーキャピタル

主な投資先:タマホーム、オイシックス、ユーザーベース

投資実績:約70億円(2020年度)

IPO実績:440社超え

  • 2010年度以降、累計800件越え・約600億円の投資を実施。
  • 幅広いステージのIT、ライフサイエンス、サービス、製造業など幅広い業種の企業に投資を行う。

みずほキャピタル

主な投資先:東北デバイス、クロムサイズ、東急エアカゴー

投資実績:約50億円(2020年度)

IPO実績:870社超え

  • 投資案件の70%近くがアーリーステージ。
  • IT関係、サービス業、ライフサイエンスの3つの業種が投資先の約80%を占める。

 

独立系ベンチャーキャピタル主要3社

・親会社が存在せず、投資先との相乗効果を狙う必要がないので自由に投資を行うことができる。

・投資に加えてハンズオンを行うことが多い。

・投資サイズは会社によって異なる。

ジャフコ

主な投資先:リクルート、UUUM、CAMPFIRE

出資総額:1兆円超え

IPO実績:1000社超え

累計投資社数:4100社越え

  • 新規投資の95%以上がシード/アーリー期の企業に対して行われる。
  • 初回ラウンドだけに留まらない継続的な数億円規模の投資を実行。(複数回投資比は45%超え)

グローバル・キャピタル・パートナーズ

主な投資先:メドレー、メルカリ、スマートニュース

IPO実績:36社

M&A実績:18社

  • 日本初の本格的ハンズオン型ベンチャーキャピタル。
  • 投資実行後も経営に関与して投資先のバリューアップを目指すハンズオン型VC。
  • ハンズオン型VCなので投資先は多くない。

 

グローバルブレイン

IPO実績:24社

M&A実績:59社

  • アジア、北米、欧州とグローバルに投資を行う。
  • 投資先の割合は国内6割、海外4割。
  • IPOよりもM&Aの数が多いことが特徴。
  • 資金調達だけでなくベンチャー企業の状況に合わせた支援を提供。

 

政府機関系ベンチャーキャピタル主要3社

・公的資金をもとに投資する。

・無理に株式公開をすることはせず安定した配当を狙う。

・技術力や産業維持などを重視。

DBJキャピタル

出資総額:220億円越え

IPO実績:30社以上

  • 日本政策投資銀行(DBJ)から100%の出資を受ける。
  • シード/アーリー段階の企業への新規投資が基本とされているが、ミドル/レイター段階にある企業への追加投資にも積極的に取り組む。
  • 日本政策投資銀行グループと連携を取る。

INCJ

投資件数:144件

Exit件数:85件

出資総額:1兆円越え

  • 産業競争力強化法に基づき設立された株式会社産業革新機構から新設分割。投資先には収益性と共に社会的意義、革新性が求められる。
  • 「オープンイノベーションを通じた次世代産業の育成による国富の増大」というミッションを掲げる。
  • 民間ファンドでは難しいリスクの高い投資も行い、中長期のリスクマネーの出し手となっている。

地域経済活性化支援機構(REVIC)

  • 2008年のリーマンショックの影響を受けた事業者の事業再生を目的として設立された官民ファンド「企業再生支援機構(ETIC)」を改組する形で2013年に設立された。
  • 中小企業を支える地域の金融機関と二人三脚で事業者ごとに最適なソリューションを提供。
  • 人材支援、成長支援、再チャレンジ支援、再生支援の4つがREVICが行う主な支援。
  • 資本金5億円以上で従業員1千人を越える大企業は出資対象外。

大学系ベンチャーキャピタル主要3社

・日本の大学は研究成果を産業に活かす力が弱いということを指摘されてきた。

・研究に関する知的財産等の権利保護・利用についても後手に回っていた。

・大学での研究の成果や人的資源を生かすことを目的とする。

 

東京大学エッジキャピタル

IPO実績:17社

M&A実績:13社

  • 累計800億円以上の5本のファンドを運営し、140社以上に投資。
  • 東京大学を始めとする国内外の大学、研究機関とも連携。
  • 技術に強みを持つ企業に積極的に投資を行う点が特徴。

大阪大学ベンチャーキャピタル

  • 大阪大学が100%株主。
  • 累計200億円越えの2本のファンドを運営。
  • 創薬・医療サービス、機械・材料・製造、環境・エネルギー、情報通信を重点投資分野として設定。
  • 大阪大学が持つ技術に対して、アーリー段階の企業資金や経営支援などの事業化支援を行う。

京都大学イノベーションキャピタル株式会社

  • 京都大学と連携して、基礎研究から事業化まで支援。
  • ①京都大学の研究成果を基に設立されたベンチャーへ投資、②京都大学と企業の共同研究を基に設立されたベンチャーへの投資、③京都大学の研究成果とベンチャー起業家をマッチングのいずれかのパターンが投資の大半を占める。
  • 民間VCでは投資が難しいシード/アーリーステージ企業への投資を行う。

 

地域特化型ベンチャーキャピタル主要3社

・特定地域に密着した事業を活性化させることを目的とする。

北海道ベンチャーキャピタル

IPO実績:16社

  • 4つのファンドを運営。道銀アグリビジネス投資事業有限責任組合というファンドは農林漁業に関する事業を行う企業にのみ投資している。その他3つのファンドは業種を問わない。
  • 事業立ち上げ、IPO、M&A、事業再生などの幅広いコンサルティングも提供している。

新潟ベンチャーキャピタル

主な投資先:note株式会社

  • 新潟産業の活性化、雇用の創出、新潟県のイメージアップを狙う。
  • 新潟を日本のシリコンバレーにするという理念を持つ。
  • 新潟県内に本店を持つ企業、新潟県内経済に貢献する県外本店企業に投資を行う。

DOGAN β(ドーガン・ベータ)

  • 福岡県にあるDOGANという会社の100%子会社。
  • 「IPOを必須としない」という理念を掲げ、長期・少額投資スキームを組むことを特徴とする。
  • ファンド事業に加えて、起業家同士のコミュニティーを作ることなどを目的とした起業家支援事業も展開。 

事業会社系ベンチャーキャピタル(CVC)主要3社

・事業会社が自社の戦略目的のために行う。

・ベンチャー企業が持つ技術やアイディアを活用して、オープンイノベーチョンの手段としてCVCを設立する動きが増加。

・大企業とベンチャーを繋げる。

Z Venture Capital

  • 230ヶ国でサービスを提供するZホールディングスが親会社。Zホールディングスの経験をスタートアップ業界に還元。
  • 日本最大級のCVC。
  • ファンドサイズ300億円のグローバル投資ファンド「ZVC1号投資事業組合」を2021年4月に設立。

電通イノベーションパートナーズ

  • 電通の完全子会社。
  • 100億円規模のファンド運営を行う。
  • テック系スタートアップに積極的に投資を行う。

NTTドコモ・ベンチャーズ

  • スタートアップ投資とインキュベーション支援を主に行う。
  • ドコモ/NTTグループとの協業が見込まれる企業に投資を行う。
  • 主に日本、アメリカ、欧州、イスラエルの全ステージの企業に投資活動を行う。

ベンチャーキャピタルとの出会い方

 ここまで本記事では、ベンチャーキャピタルの歴史や仕組み、日本に数多く存在するベンチャーキャピタルの中でも上位のVCを見てきた。ここから、起業家が上記のような大手を含むVCと出会う方法を3つ紹介する。

①紹介を受ける

 すでにベンチャーキャピタルから出資を受けている他社の経営者やVCと何らかの繋がりを持っている友人などから紹介を受けるという方法である。自身の人脈を利用して紹介してもらうことによって成功率が高くなるという特徴がある。

②ベンチャーキャピタルに自ら連絡する

 ベンチャーキャピタルのウェブサイトやSNSなどから連絡を取るという方法である。その際に面談に持ち込むことが重要である。面談で事業計画などを見せてアピールすることにより印象を残すことが出来れば出資を受けれる可能性もゼロではない。

 弊社Open Venturesも挑戦するスタートアップを積極的に支援したいと考えている。事業の壁打ち資金に関する相談などを起業家から随時受け付けている。

▼問い合わせ先

https://open-ventures.fund/contact/

③コンテストやイベントに参加する

 スタートアップ企業向けのイベントは毎日のように色々な場所で開催されている(【2022年最新版】全国のピッチコンテスト/ピッチイベント一覧)。それらのイベントにはベンチャーキャピタルの投資家が出席していることも多く、彼らに直接出会うことが出来るかもしれない。

 弊社Open Venturesも毎月、メンタリング・ピッチコンテストを開催している(2022年4月のイベントはこちら)。個別メンタリングや他の起業家との懇親会なども行われる充実の内容となっている。全国を対象に若手起業家からの応募を随時募集している。

 

▼問い合わせ先

https://open-ventures.fund/contact/

まとめ

 まず、本稿ではベンチャーキャピタルの仕組みと歴史を手短に説明した。次に、金融機関系、政府機関系、大学系、地域特化型、事業会社系それぞれの主要ベンチャーキャピタル3社を列挙した。上記の各分野主要3社以外にも多くのベンチャーキャピタルが日本には存在しており、彼らとどのようにして出会うことが出来るかを記して本稿の締めくくりとして記した。

 

参考

ベンチャーキャピタル│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券 (smbcnikko.co.jp)

いかにリスクを取るか──ベンチャーキャピタルの歴史を紐解く | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

アメリカのベンチャーキャピタルについて:ベンチャーキャピタルへの転職×仕事|金融転職・コンサルタント転職のアンテロープ (antelope.co.jp)

VCの2021年投資額はグローバルで倍増。70兆円超の投資先・ステージごとの投資額の伸びは? | Business Insider Japan

ベンチャーキャピタルの仕組み|VCの歴史や役割など | 資金調達プロ (shikin-pro.com)

金融機関系ベンチャーキャピタル(VC)とは?代表的な金融機関系ベンチャーキャピタル(VC)をご紹介 | 資金調達のミカタ (shikin-mikata.jp)

【2021年版】日本の 独立系 ベンチャーキャピタル / VC 一覧まとめ 25選 (sugu.site)

5つの政府系ベンチャーキャピタルと資金調達方法・メリットを解説 (raise-funds.net)

【2020年版】東大だけじゃない!大学系ベンチャーキャピタル(VC)一覧 | FundPress (univis.co.jp)

【最新版】国内外VC(ベンチャーキャピタル)一覧 | 投資先まで徹底紹介! – 起業ログ (kigyolog.com)

CVCファンドの基礎知識|事業一覧│フューチャーベンチャーキャピタル (fvc.co.jp)

ベンチャーキャピタル4つのメリット!VCと出会える3つの方法 – シャチョサン (syatyosan.com)

ベンチャーキャピタルと出会う方法4つ! | 即日ファクタリング会社なら株式会社No.1 (no1service.co.jp)

【最新版】国内外VC(ベンチャーキャピタル)一覧 | 投資先まで徹底紹介! – 起業ログ (kigyolog.com)

グロース市場を基盤として日本のスタートアップを海外へ – 新市場区分スタート | 東京証券取引所 (jpx-market.jp)