2021/2/27(土)10:00~18:00

1dayメンタリング・ピッチコンテスト「OPEN PITCH Vol.8」

1dayメンタリング・ピッチコンテスト「OPEN PITCH Vol.8」

このイベントは終了しました。
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イベントについて

【完全オンライン開催】U25若手起業家ピッチコンテスト

全国の若手企業家が独自のビジネスアイデアを披露し、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を競い合う1dayメンタリング・ピッチイベント「OPEN PITCH Vol.8」が開催されました

このイベントは、OPEN VENTURES株式会社主催のもと、自社の企業ビジョンである”知恵とテクノロジーで新しい事業を想像し、個性が輝く楽しい時代に進化する”に基づき、デジタルビジネスを通して共に社会課題に立ち向かい、新たなデジタル事業の創造に挑戦したい若手企業家を発掘し、支援することを目的としています。

OPEN VENTURESでは毎月『OPEN PITCH』を開催しており、
イベント参加者や事業の壁打ちを希望される起業家の方々を随時募集しております。

参加を御希望の場合は下記のページよりお気軽にご応募ください。

「OPEN Pitch」応募ページ申し込みフォーム:
https://open-ventures.fund/contact/
開催日
2021/2/27(土)
開催時間
10:00~18:00

レポート

2021.02.27

第8回目の開催となる「OPEN PITCH Vol.8」も、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、完全オンラインでの開催となりました。
東京、関西に在住の若手起業家5名にご参加頂き、東京の審査会場とオンラインツールで繋ぐことで、全国各地からの同時参加をリモート環境下で実現しています。
今回も様々な産業から、ユニークなバックグラウンドを持つ若手起業家が集まった回となりました。
前回同様、若手起業家が抱く社会的課題への深い考察やその解決を目指したビジネスアイデアの共有、そしてメンターとの有意な議論を通じて、デジタルビジネスの重要性とさらなる可能性を確信する1日となりました。

 「OPEN PITCH」選考方法

「OPEN PITCH」は、若手起業家のビジネスアイデアと事業創造に精通した審査員の知見を相乗させることで、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を追及し、実現へ向けてのスピードを加速させるためのコンテストです。
まず、若手起業家が独自のビジネスアイデアを発表します。
次に、審査員である各メンターと順番に1対1で議論し、当初のビジネスアイデアにさらに磨きをかけます。
そして、複数回のメンタリングにより研磨されたアイデアを再度発表し、その内容に基づいて、審査員が優勝者を決定します。
前回に引き続き、今回の「OPEN PITCH Vol.8」も、多様な観点から社会的課題を捉え、ビジネスに対する熱い志を抱いた参加者たちによるハイレベルなコンテストとなりました。
最終ピッチで大きく点を伸ばす方や、大胆なブラッシュアップを加える方が現れるなど、優れたアイデアがさらに突出する契機になったことが伺えます。

「OPEN Pitch Vol.8」審査員コメント

OPEN VENTURES株式会社  代表取締役社長  石井岳之

今回はテーマが多岐に渡っており、興味深かったです。一方で、焦点をあてるテーマは面白いが、どう実現していくかといったマーケティングの観点が欠如してる方が多かったように感じます。自分のビジネスアイデアをどのように実現していくか、実現可能な具体的な行動にまで掘り下げて考えて欲しいと感じました。

ジャフコグループ  関西支店長 高原 瑞紀

皆さんピッチの資料が作り込まれており、伝わりやすかったです。ヘルスケアやメディカルに近いテーマが多く見られる中、田代さんのBtoCでの精子凍結サービスのような先進的な事業は興味深かったです。その他ミンさんのクラウドレセコンにも個人的には興味がひかれる内容でした。

 TLM 代表パートナー 木暮 圭佑

参加者の皆さんが目をつけているマーケットは、既存のスタートアップがいない領域が多く、明確に強い競合もいないため、面白いと感じました。。一方で、マーケットの可能性はあるのに、マーケティングの観点が掘り下げられていないとも感じました。対象としておられるマーケットは今後成長の可能性があるものの、現状はまだ市場規模が小さいものばかりです。小さいからこそ今後成長の可能性があり、その成長マーケットに対して、どんな切り口で攻めていくかというところが全員が考えきれてない様子でした。

  千葉道場ファンド キャピタリスト  廣田 航輝

興味深いアイデアが数多くあり、実際に検討の際には出会う事のないモデルのビジネスもあったので、私自身も学ばせて頂きました。
「ビジネスを成り立たせるうえで、どのポイントを押さえたらビジネスモデルを確立できるのか」という点がまだまだこれから詰めていく段階にある会社さんもあり、これからが楽しみだと感じました。個人的にはLV.Genome社のビジョンにはいい意味で狂気じみたものを感じたので、ぜひまたディスカッションしてみたいなと思います。

OPEN VENTURES株式会社  アソシエイト 今泉 滉平

面白いマーケットにエントリーしていて、かつそれぞれ尖った方向性のビジネスをしておられる方が今までと比較して多かったように感じます。方向性は悪くないけれど、直近することが定まっていなかったり、実現できるかが分かっていない方が多かったように感じました。

「OPEN Pitch Vol.8」結果発表

【優勝】株式会社「OzWay」代表取締役 ミン ジョンホ(Min jonho)さん

「OPEN Pitch Vol.8」の優勝者は、株式会社「OzWay」代表取締役のミン ジョンホさんに決定しました。
ミンさんは大学2年生の時に株式会社OzWay設立し、代表取締役就任し、今年5月には、薬局向けクラウド型システム開発・販売事業開始予定です。「Must have」な薬局システムを提供する、というミッションを元に事業に奮励中です。
本イベントでは、マーケティングの具体性が評価され、最優秀賞を受賞されました。更に、メンタリングを通したアイデアの大胆なブラッシュアップが評価され、「BEST PROGRESS賞」も併せて受賞されました。

 

株式会社「OzWay」事業紹介
調剤薬局向けクラウド型レセコン

薬局では診察費用を患者は3割負担しています。残り7割を薬局がスムーズに受け取るためのサービスです。現在、調剤薬局ではM&Aが急進行しています。しかし薬局では、薬局ごとにサーバーを購入する必要のある「オンプレミス」型のシステムを使用しています。私は、グループ薬局のシステムの受託開発中、本部で課題のヒアリングや薬局現場での行有無体験を通して、グループ本部、現場両方の課題や業務を体感しました。「オンプレミス」型のシステムでは、店舗が増える度に200万円近くのサーバー購入費がかかったり、システムの故障が多く、買い換える必要がでてきます。さらに、リアルタイムでデータを分析することもできません。グループ薬局にとって、これは大きな課題になります。そこで、薬局が審査支払い機関へ提出する「診療報酬請求書」を作成するシステムをクラウド化した調剤薬局向けのクラウド型レセコンコンピューターを提供しています。クラウド化することによって、初期導入コストなし、故障の心配なし、リアルタイムデータ分析をすることができます。

株式会社「OzWay」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
株式会社「OzWay」公式HP:https://ozway.jp/

「OPEN Pitch Vol.8」の参加を終えて

総じて「仮説が弱い」「将来性をアピールした方がいい」というご指摘をいただきました。確かに、私は技術サイドから物事を考えることが多かったため、そういったビジネスサイドのご指摘は非常に事業を考えていく上で重要なポイントとなる気付きを得ることができました。

プロフィール

ミン ジョンホ
株式会社OzWay代表取締役。
2018年4月 青山学院大学入学
2019年3月 株式会社OzWay設立 代表取締役就任
2020年6月 ハイブリッド型AIシステム「ドロシー」の販売開始
2021年5月 薬局向けクラウド型システム開発・販売事業開始予定
「Must have」な薬局システムを提供する、というミッションを元に事業に奮励中

下記では、惜しくも受賞は逃しましたが、ハイレベルな闘いを繰り広げた若手起業家と事業概要について紹介します。

「Eaty」 高橋 優人さん

「Eaty」事業紹介

プラントベース情報提供サービス

現在、健康志向の高まりや環境保護の観点から主にミレニアム世代において世界中で「Plant-Based Diet」が流行しています。しかし、生活に取り入れる方法が分からなかいという問題点や正確でわかりやすい情報が少ないといった問題点があります。そこで私たちは、プラントベース管理栄養士監修のプラントベース情報提供サービスの提供を考えました。主なサービス内容は、正確な情報、時間の節約、不安の緩和を目的としたプラントベースレシピ、プラントベース記事、プラントベース管理栄養士に個別質問・相談です。プラントベース菅理栄養士への個別質問・相談といった一部有料コンテンツは月額3,000円の課金制で運営しています。現在、「Eaty」の利用者は3人です。しかし、日本では684万人が実際にプラントベースをしており、2016万人がプラントベースに興味を持っており、今後の市場拡大が見込まれます。今後は、ユーザーの獲得、広告企業の獲得、施設との協業を考えており、将来的には、処方食としてのミールプレートを提供していきたいです。
また、私たちは環境問題を意識しているので、プラントベースの人が増えることで、温室効果ガスの減少、水不足の減少、エネルギー消費の減少、水質汚染の改善を目指しています。

「OPEN Pitch Vol.8」の参加を終えて

最初から持っている野望に向かってやって良いのではないか、市場が小さくてもよく、自分で大きくするのだ」といった趣旨のお話を受け、プラントベースを目的とせず、手段としました。もともとこのプラントベース情報サービスは、プラントベース弁当の販売のために考えたサービスでした。メンターの方々にこのことを伝えると、「もっと近い道があるのではないか」とのアドバイスをうけ、最初からプラントベース弁当を販売することを考えました。ただし、ただ販売するのではなく、このプラントベース弁当でどんな課題が解決することができるのかを自分の経験の中で考えました。

「Eaty」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
高橋さんtwitterアカウント:@MasatoTakahas15

 

プロフィール

高橋 優人(「Eaty」)
中京大学スポーツ科学部卒業
2019年一般社団法人にて学生団体の支援をした後、
2020Lioとして海洋保護活動を行うためのイベント企画運営などを行う

 

株式会社「無限の始まり」代表取締役 田代 正義さん

株式会社「無限の始まり」事業紹介

D2C精子凍結保存サービス

不妊の4割は男性が原因です。先進国では人間のからだの中にある精子数が過去40年で半分に減少しており、日本男性の精子数は最下位です。年齢とともに障害リスクは増加します。そこで、私たちは、男性不妊のための生殖医療の保険という立ち位置で、D2C精子凍結保存サービスを提供する生殖医療の保険会社としての「HardBank」を立ち上げました。精子凍結保存とは癌などの疾患や事故による不妊化、加齢に伴う精子の劣化に対応するため、精子を液体窒素で冷凍保存するサービスです。精子は半永久的に凍結保存が可能です。数匹の健全な精子で授精できます。
また、不妊治療は価格競争がなく価格はクリニック任せであるため、不妊治療は高額です。平均200~300万円かかります。しかし、D2C精子凍結サービスはで1年につき1万円で精子を凍結保存することができます。また、地理的に選択肢が少ないことが原因であると考えました。そこで、精子凍結、サブスク、DtoCを全て組み合わせてできたのが精子凍結郵送サービスです。従来はクリニックに行く必要のあった採取、検査、保管をオンラインで完結することができるので、ユーザーは精子の検査結果、精子凍結保存状況をオンラインでチェックすることが可能なオンライン完結型サービスです。また、医療系に見えないサイトです。同一の精子を複数の凍結保存場所に分散させることで、安全性を向上させます。また、精子の運動率や数を増加させるサプリも販売します。社員のヘルスケア関連福利厚生費は増加傾向にあります。

株式会社「無限の始まり」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
田代さんTwitterアカウント@kokunanndaha

「OPEN Pitch Vol.8」の参加を終えて

サービスの射程とピッチ資料に一貫性が無い顧客のセグメンテーションや、集客手法に関してご指摘をいただきました。事業を練り直し、ぜひまた参加したいと思います。

プロフィール

田代 正義 (株式会社「無限の始まり」代表取締役)
早稲田大学基幹理工学部入学後、株式会社無限の始まり を創業、代表取締役に就任。
ヤゴコロ株式会社でのリーサーチインターン、
モノオク株式会社での行政手続き事務インターンを経て、
日本の人口減少を緩和するために全家族が子どもを持てる環境構築として
精子バンク事業、精子凍結保存事業等の準備中。
TNK17期生。

「Project Add-in」 平林 良章さん

「Projecr Add-in」事業紹介

生活に溶け込む広告Ad on―コンテンツを持たない新しい広告媒体―

生活に溶け込む広告Adon(アドオン)は、スマホの壁紙(ロック画面)をサイネージとして捉え、広告や割引券を表示できる「新しい広告媒体」です。IOSショートカットと画像配信アプリを使って壁紙を半自動的に切り替えます。広告配信の仕方は、私たちが法人スマホの契約を代わりに行い、広告配信機能をつけることを条件とした法人スマホを契約会社に提供します。スマホ広告との違いは、imp課金などではなく、面での販売という点です。時間帯×配信先の会社×年齢や部署などでの販売。また、効果測定は一部可能です。マイナー商品でも。就業中に必ずみてもらえるので、興味関心が潜在的な人にも配信することができます。

「Project Add-in」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
平林さんFacebookアカウント:平林良章

「OPEN Pitch Vol.8 」の参加を終えて

イベント通じて今の自分に足りていない部分を痛感する機会となりました。各メンターの方々から様座なご意見を頂くことが出来たのですが、その中でも高原さんの、「まだもっと考えられる」という一言が特に印象的でしたブラッシュアップの際には情報の取捨選択がメインテーマでした。ほぼ常識に近い事象や冗長で無駄な資料が多かったので、そこを完全に削ぎました。あとはシンプルなビジネスモデルだからこそ、収益構造などの部分では作りこみと差別化が必要だと感じました。

プロフィール
平林 良章(「Project-Add in」)
慶応義塾大学商学部を卒業後、広告代理店へ就職。
官公庁担当やイベントなど、広告以外の様々な領域を経験。
そこで生活者の「広告への忌避感」と「広告が好き」で入社した自分とのギャップに衝撃を受け、「人に好まれる広告」を作りたいと志す。
現在はAdonというプロジェクトで、スマホ壁紙を媒体に用いる事業アイデアを検証中。

「Lv.Genome」代表パートナー 高原 千晶さん

「Lv.Genome」 事業紹介

ゲノム情報からデジタルクローンを作る

アメリカでは11人中1人が遺伝子検査を経験済みなど、市場は拡大しています。国内では、2〜3万円で遺伝子検査をすることができます。しかし、自分に最適な健康状態の改善方法が分からないため、遺伝子検査を通しての解決を試みます。そこには、検査結果分かりづらかったりといった課題があり、自分に合った健康改善のための、具体的なアクションに落とせません。そこで、ゲノムレベルで震えるがモットーの「Lv.Genome」を立ち上げました。
私たちは、ゲノムの情報からデジタルクローンを作り、それを通して、遺伝子検査の結果だけではなく、実験過程とその未来を見据えることができるサービスを提供します。人間では試せない様な実験を再現できるデジタルクローンを目指します。
また、遺伝子検査結果を使ってユーザーのゲノム情報を再現したクローンをデジタル上に作ります。そのことによって、ユーザーにとって視覚的・感覚的に理解しやすくなり、複製したクローンによって、複数の選択肢で実験ができるようになります。
実際にどういうサービスを提供するかというと、スマートフォンのアプリケーションなどに自身のアバターを作り、遺伝子検査結果をもとにどんな刺激にどんな反応が出るかのアルゴリズムを反映することで、可視化します。定性定量が想定される反応情報です。活用方法は二つあります。一つ目は、健康診断結果をデジタルクローン上に入力することで、現状維持をすると体にどんな影響が起きるのかを可視化します。二つ目は、実験用クローンを2人に増殖させ、対照実験をアプリケーション上などで行います。
Lv.Genomeはデジタルクローンを通して、試すのが怖かったり、人間では試せないような実験ができる環境を作り、人々がゲノムレベルで最適な選択から選ぶ社会を目指します。

「Lv.Genome」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
高原さんTwitterアカウント:@chiak_lv_genome

「OPEN Pitch Vol.8」の参加を終えて

今の事業の世界感の答え合わせができ、参加できて大変うれしかったです。実現したい世界観は伝わったと思っており、VCの皆さんの人柄やアドバイスが的確で今後ともお話出来る機会があればコンタクトを取りたいと思っております。

 

プロフィール
高原 千晶(「Lv.Genome」代表)
2021年Lv.Genome社の代表。
「ゲノムレベルで震える」をテーマに、ゲノム(トリセツ)×デジタルクローンを使って人生の選択肢を増やす事を目指しています。
大阪調理製菓専門学校在学中に栄養を学ぶ過程でゲノム領域にハマる。パティシエを3年勤める中、2度肌のドクターストップを宣告される
大手ベンチャー企業のCSを3年経験し、自分の原体験からゲノム領域で起業することを決意。

次回「OPEN Pitch」について

「OPEN Pitch Vol.8」は、ハイレベルな参加者が競い合うコンテストとなり、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を大いに感じる場となりました。
また、株式会社OPEN VENTURESのCVC事業に繋がる出会いもあり、次回のイベントにも期待が高まります。
次回「OPEN Pitch Vol.9」は、3月27日(土)に開催予定です。

『OPEN PITCH』は毎月開催を予定しており、随時参加者を募集しております。
参加を御希望の場合は下記のページより詳細をご確認の上、ご応募ください。 

「OPEN Pitch」応募ページ

申し込みフォーム:https://open-ventures.fund/contact/

過去のイベントが気になる方はこちらをご覧ください。

「OPEN Pitch Vol.6」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol6/

「OPEN Pitch Vol.7」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol7/

 

〈主催〉

株式会社OPEN VENTURES
https://open-ventures.fund/

〈モデレーター〉

株式会社ニューロマジック  取締役執行役員  木村隆二
https://www.neuromagic.com/