イベントについて
【完全オンライン開催】U25若手起業家ピッチコンテスト
全国の若手企業家が独自のビジネスアイデアを披露し、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を競い合う1dayメンタリング・ピッチイベント「OPEN PITCH Vol.9」が開催されました。
このイベントは、OPEN VENTURES株式会社主催のもと、自社の企業ビジョンである”知恵とテクノロジーで新しい事業を想像し、個性が輝く楽しい時代に進化する”に基づき、デジタルビジネスを通して共に社会課題に立ち向かい、新たなデジタル事業の創造に挑戦したい若手企業家を発掘し、支援することを目的としています。
OPEN VENTURESでは毎月『OPEN PITCH』を開催しており、
イベント参加者や事業の壁打ちを希望される起業家の方々を随時募集しております。
参加を御希望の場合は下記のページよりお気軽にご応募ください。
「OPEN Pitch」応募ページ申し込みフォーム: https://open-ventures.fund/contact/ |
- 開催日
- 2021/3/27(土)
- 開催時間
- 10:00~18:00
レポート
2021.03.27
第9回目の開催となる「OPEN PITCH Vol.9」も、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、完全オンラインでの開催となりました。
高校生を含む若手起業家5名にご参加頂き、東京の審査会場とそれぞれがお住いの北海壮、東北、関東、関西、九州をオンラインツールで繋ぐことで、全国各地からの同時参加をリモート環境下で実現しています。
今回も様々な産業から、ユニークなバックグラウンドを持つ若手起業家が集まった回となりました。
前回同様、若手起業家が抱く社会的課題への深い考察やその解決を目指したビジネスアイデアの共有、そしてメンターとの有意な議論を通じて、デジタルビジネスの重要性とさらなる可能性を確信する1日となりました。
「OPEN PITCH」選考方法
「OPEN PITCH」は、若手起業家のビジネスアイデアと事業創造に精通した審査員の知見を相乗させることで、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を追及し、実現へ向けてのスピードを加速させるためのコンテストです。
まず、若手起業家が独自のビジネスアイデアを発表します。
次に、審査員である各メンターと順番に1対1で議論し、当初のビジネスアイデアにさらに磨きをかけます。
そして、複数回のメンタリングにより研磨されたアイデアを再度発表し、その内容に基づいて、審査員が優勝者を決定します。
前回に引き続き、今回の「OPEN PITCH Vol.9」も、多様な観点から社会的課題を捉え、ビジネスに対する熱い志を抱いた参加者たちによるハイレベルなコンテストとなりました。
最終ピッチで大きく点を伸ばす方や、大胆なブラッシュアップを加える方が現れるなど、優れたアイデアがさらに突出する契機になったことが伺えます。
「OPEN Pitch Vol.9」審査員コメント
OPEN VENTURES株式会社 代表取締役社長 石井岳之
素直な起業家の方が多く、今後も何かしらの形で応援していければと感じましたし、短い時間の中でも成長を感じられたことはとても興味深かったです。
それぞれの事業について、テーマや取り組まれている課題などの大枠の方向感は面白いと感じるものの売上、利益を作っていくにはまだまだ多くの工夫が必要です。
実証を繰り返し、顧客の声を着実に積み重ねていくことで、より大きな成長がみえてくるかと思います。
株式会社54 代表取締役社長 山口 豪志
様々なステージの起業家の方が参加しておられましたが、どなたも資料、プレゼンテーションがうまくまとまっており、メンタリングの内容が何かしらの形で最終ピッチに活かされていることには驚きました。
メンタリングでは事業に対する時間軸と目指す山の大きさを重要な論点として深堀することでフィードバックを行いました。
私は素晴らしい起業家ほど、柔軟性と頑固さのバランスがよいと考えています。
変えたくないとこは譲らない。曲げたくないことは曲げない。そういった頑固さを持ちながらもそれ以外については上手く意見を取り入れる柔軟性を持つ。そうすることで早くプロダクトマーケットフィットすることに繋がります。
起業家に年齢は関係ありません。だからこそ今後もどんどんチャレンジをしてほしいと思います。
コロプラネクスト キャピタリスト 淵江 大道
Aという課題によりBという事象が引き起こされる。だからAを無くすためにCという解決策を作る。
そういったように課題に対して正面突破を試みるような取り組みが多いと感じました。
先に挙げたような単純な構造ではないからこそ、いまも解決されず課題として残っているケースも多く、正面突破では解決が難しい可能性が高いです。
今後も色んな意見を言われ混乱することもあるかも知れませんが、単なる意見にはめげずに取り組んで欲しいと思います。
真実の価値はファウンダーが一番理解しています。真のサービスの価値、意味は何なのか。
そう考えることで今後は違う視点での解決策を見出すことができ、成長のきっかけを掴めるのではないかと思います。
Yazawa Ventures パートナー 矢澤 麻里子
様々なステージの起業家の方が参加されている中で、起業家の方が本当にやりたいことが何なのかを考えメンタリングに取り組みました。
事業として厳しいと感じる場合はオブラートに包んでもあまり意味がないと思い、敢えてはっきりとそれを伝えた上で実現したいことに立ち返り、次に繋がるようなフィードバックを心掛けました。
起業家は長期戦です。今回のイベントでの評価自体は重要ではありません。
様々な意見を受け入れる柔軟性を持ちながらも、本当にこの世界を変えたいといった想いや、解決したい課題は何なのかといった芯は崩さず続けて欲しいと思います。
成功している人はすべからく早くにリスクをとっている人です。皆さんもリスクを取り、今日のようなチャレンジを続けて欲しいと思います。
OPEN VENTURES株式会社 アソシエイト 今泉 滉平
アイディア性に富んだ興味深い事業案が多くて、とても楽しかったです。起業家のみなさん自身が、目の前にある課題の当事者であった点が良かったです。
あとは事業のBig Pictureを描き、聞き手や投資家がワクワクするようなストーリーを構築していけると、一層魅力的な事業案になるかと思います。
「OPEN Pitch Vol.9」結果発表
【優勝】株式会社 ABABA 代表取締役 久保 駿貴さん
「OPEN Pitch Vol.9」の優勝者は、株式会社 ABABA 代表取締役の久保 駿貴さんに決定しました。
久保さんは自社の最終面接まで進んだ学生を企業間で推薦しあうプラットフォームABABAを運営中。採用の面接は落ちたら終わり、また他社の採用を1から受けなければならない。
そんな非効率な採用活動を変えるために本事業に取り組んでおられます。
今回のコンテストでは、優れたビジネスアイデアとして、全メンターからの支持を獲得し優勝となりました。
株式会社 ABABA事業紹介
お祈りメールがオファーに変わる
自社の最終面接まで進んだ学生を企業間で推薦しあうプラットフォームABABAは
採用の面接は落ちたら終わり、また他社の採用を1から受けなければならない。
そんな非効率な採用活動を変えるプラットフォームサービスです。
採用に関わった人事の方であれば、「優秀な学生だったけれど、最終面接で落とされてしまった。」「採用人数が限られている為、泣く泣く落とさざるを得ない。」と感じる学生がいることも少なくありません。
そんな学生の今後をABABAで他社に推薦し応援することで、採用において確実に生じる悲しみを減らし、その上で落ちてしまった学生と良好な関係を構築・継続することが可能です。
従来、企業は不採用になった学生に対して、無機質なテンプレートのメールで不採用を通知していましたが、
ABABAのユーザー企業は、不採用通知送付時に「内定を出すことはできなかったけれど、素晴らしい学生としてABABAで推薦し、あなたのこれからの就職活動を応援させてください。」という文面で、ABABAへの登録を学生に促します。不採用通知に記載された企業ごとのURLから、学生がユーザー登録すれば、その企業の最終面接まで進んだ学生として登録され、面接を担当した人事がその学生の人物評価と推薦文を入力します。その後、その学生がどの企業の最終まで進み、どこに強みがあるのか、なぜ採用に至らなかったのかの情報が掲載された状態で、オファーを送れる学生一覧に表示されます。そして、他のABABAユーザー企業はこのような学生に対して採用オファーを送ることができ、企業、学生双方にとって効率的な採用を実現します。
株式会社ABABAについてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
株式会社ABABA 公式HP:https://abababa.jp
「OPEN Pitch Vol.9」の参加を終えて
メンタリングにおいては、5分のピッチではお伝えできなかったことに加え、目指す世界観を学生側企業側の両視点からお伝えすることで、
実際に採用業務に携わっておられる方や採用関連のサービスに投資されている方等に貴重なお話をお伺いすることができ、大変勉強になりました。
プロフィール久保 駿貴 株式会社 ABABA 代表取締役 |
【ベストプログレス賞】日本臨床歯科衛生研究会東北大学歯学研究科 梅澤 幸太さん
本イベントにおいて、メンターからのアドバイスを基に事業アイデアの大胆なブラッシュアップを行ったチャレンジが称えられ、日本臨床歯科衛生研究会東北大学歯学研究科の梅澤 幸太さんに「BEST PROGRESS賞」が贈られました。
※BEST PROGRESS賞:起業家の事業プランに対し、本イベントにおいてメンターが助言をした結果、最終ピッチでの”成長”が最も大きかった起業家に送られる賞
「歯ぶくる」事業紹介
歯ブラシ定期お届けサービス
歯ブラシ定期お届けサービス歯ぶくるは
写真撮影とアンケートを基に歯科衛生士がユーザー1人1人に合った歯ブラシを提供するサブスクリプション型のサービスです。
歯の健康そのものが健康寿命に大きく関係していることなどの情報の広まりにより、
近年、口腔衛生に関する関心度は高まりを見せています。国内のオーラルケア関連製品市場をみても対象市場は成長傾向にあり、
口腔衛生に関する課題を解決する製品ニーズの高まりが伺えます。
歯ブラシに関する既存サービスは自社製品のみの取扱、固定商品の定期配送といったサービス内容のため、
必ずしも一人一人に合ったサービスの提供に繋がっているとは限りません。
口腔衛生に関心の高い層は既存サービスを含む様々な製品の利用を試みているものの、臨床及びオーラルケアを熟知した歯科衛生士から見れば
最適ではない製品を使い続けているユーザーが多く見られます。
一方歯ぶくるはメーカーの制限が無く、国内外の様々な商品を取り扱うことができ、歯科衛生士の観点から最適な歯ブラシが提案されるため、
一人一人に合った歯ブラシの提供を可能にします。
「OPEN Pitch Vol.9」の参加を終えて
私の周りにいる私と似たような意見を持つ方の意見ではなく、それぞれの人に応じた視点でみた時に本サービスに対する課題を見つけることができました。
本サービスに継続して取り組んでいただくにあたり、ドキドキやワクワクなどサービスを楽しんで取り組めるように作ることの大切さを教えてくださったご意見がとても印象に残りました。
プロフィール梅澤 幸太 (歯ぶくる) |
下記では、惜しくも受賞は逃しましたが、ハイレベルな闘いを繰り広げた若手起業家と事業概要について紹介します。
株式会社funky jump 代表取締役 青木 雄太さん
株式会社funky jump 「TAISY」事業紹介
コミュニティマネージャー向け顧客管理システム
コミュニティマネージャー向け顧客管理システムTAISYは
顧客との会話をチーム内で見える化し、良好で強固な関係を構築できるサービスです。
既存の顧客管理システムはセールスのアプローチログのみが記録される傾向にあるため、コミュニティ内の個別の会話は記録されず、事業全体の意思決定者にあたる事業責任者などには共有されにくい構造となっています。
そのため、コミュニティマネージャーは成果をアピールし辛く、その上長も評価をし辛い状況が生まれています。
一方、TAISYは既存の顧客管理システムとは異なり、セールスだけでなく、顧客と接するチームメンバー全員の顧客との会話履歴を記録するため、コミュニティマネージャーの成果を可視化することができ適切な評価を可能にします。
更にコミュニティ内で情報価値が高い1対1の会話情報を集積することで、会話データを基に顧客への接点を創出することができ、コミュニティメンバーへのより強力なビジネスサポートを可能にし、チームに対しての顧客からのフィードバックをダイレクトに共有することができます。
「TAISY」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
青木さんTwitterアカウント:@yuta_aoki01
「OPEN Pitch Vol.9」の参加を終えて
審査員の矢澤さんよりコメントいただいた「コミュニティってもっと面白いものでは?」という趣旨のコメントにハッとさせられました。
ビジネス性に重きをおいたピッチによって本来実現したいコミュニティ像がうまく伝えられなかったことに気づき、
二度目のピッチでは自身の理念やコミュニティのあるべき姿についてピッチをしました。
事業を進める上で最も大切なことに気づかせていただいたと思います。ありがとうございました。
プロフィール青木 雄太 株式会社funky jump 代表取締役 |
品川女子学院「Kaleido」 鈴木 梨央さん
「Kaleido」事業紹介
孤独を幸せに変えるアプリ
孤独を幸せに変えるアプリKaleidoは「自分をさらけ出せない」「理想の自分を演じている」「自分らしさを探している」といった孤独感を解決するサービスです。
近年核家族化やデジタル化の高まりにより孤独感を感じている人々が増加傾向にあります。
精神的に助けを求められない人はそうでない人に比べ、自殺念慮が約4倍といわれており、孤独が慢性化すると1日約15本のタバコと同等の健康被害があることがわかっています。
起業家自身も過去に強い孤独を感じた経験があり、そういった過去の自分を救うためにも本サービスを企画しました。
Kaleidoではユーザー同士ですれ違ったり、誰かが通った道を通ることでポイントにあたる星を集めることができます。
集めた星によりアプリ内のリトルミーが成長し、すれ違ったユーザー同士で今の気持ちをシェアすることできます。
そうすることにより「1人じゃない」「どんな日でも大丈夫」といった想いを想起させ孤独を幸せに変えることを可能するサービスです。
「Kaleido」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
鈴木さんTwitterアカウント:@Rio_888_
「OPEN Pitch Vol.9 」の参加を終えて
人間は心に何かあるかもと認めたくないと思うものなので、「メンタルヘルス」を表立ったテーマにするのではなく、生活に紐づくゲームで人を癒す方が広まりやすいのではないかといった点や
ダウンロード・導入してもらうためにはトリガーが必要でユーザーの声を意識すること意識することが大切だとアドバイスをいただき、気付きの多い機会となりました。
また事業を進めるにあたって、他の起業家の方々がどれだけの熱意を持ってどのように取り組んでいるのかを間近で見ることができ、とても刺激になりました。
プロフィール |
株式会社konoki 代表取締役 内山 浩輝さん
株式会社konoki事業紹介
日本の森で、社会を豊かに。
日本の森林問題に取り組むkonokiは日本の森で社会を豊かにすることをビジョンに木の新たな需要を創出し、積極的に活用することで新しい林業の仕組みを作ることに取り組んでいます。
国産の木材は安い輸入材の定着と木造建築の減少により、需要が低下、その影響で低価格が進行しています。
それによって林業家の数が減り、管理されない森林が増えている現状にあります。
こういった山の放置より、過去最多ペースでの山崩れや花粉症の増加といった社会への悪影響を及ぼしています。
従来の林業のように丸太を市場に卸すといったやり方に囚われず、konokiが林業とユーザーの中間に入ることで、ブランド事業と流通促進事業を展開し国産木材の新たな需要を創出します。
ブランド事業においては樹木ブレンドの健康茶『森の恵み茶』を販売予定です。
流通促進事業においてはスウェーデントーチや食器などの木製製品をユーザーにとって魅力的なプラットフォームに掲載することで、埋もれてしまっている優れた木製製品の流通促進を実現します。
これらの取り組みを通して、新しい林業の在り方を体現していくことで、林業が潤い、自然災害を減らすことにも繋がります。
ユーザーにとっても優れた木製製品の恩恵を受けることができ、もう一度人と自然が共生する世界を作ることができます。
「konoki」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
内山さんTwitterアカウント:@kokiuchiyama3
「OPEN Pitch Vol.9」の参加を終えて
みなさんの意見が十人十色で、様々な意見・視点を一気に学ぶことができました。
長期的な展開と、足元すべきことがより明確になり、効果的な将来展開を描くことに繋がりました。
プロフィール |
次回「OPEN Pitch」について
「OPEN Pitch Vol.9」は、ハイレベルな参加者が競い合うコンテストとなり、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を大いに感じる場となりました。
また、株式会社OPEN VENTURESのCVC事業に繋がる出会いもあり、次回のイベントにも期待が高まります。
次回「OPEN Pitch Vol.10」は、4月24日(土)に開催予定です。
『OPEN PITCH』は毎月開催を予定しており、随時参加者を募集しております。
参加を御希望の場合は下記のページより詳細をご確認の上、ご応募ください。
「OPEN Pitch」応募ページ
申し込みフォーム:https://open-ventures.fund/contact/ |
過去のイベントが気になる方はこちらをご覧ください。
「OPEN Pitch Vol.7」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol7/
「OPEN Pitch Vol.8」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol8/
〈主催〉
株式会社OPEN VENTURES
https://open-ventures.fund/
〈モデレーター〉
株式会社ニューロマジック 取締役執行役員 木村隆二
https://www.neuromagic.com/