第15回目の開催となる「OPEN PITCH Vol.15」も、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、完全オンラインでの開催となりました。
全国の若手起業家5名と東京の審査会場をオンラインツールで繋ぎ、全国各地からの同時参加をリモート環境下で実現しています。
今回も様々な産業から、ユニークなバックグラウンドを持つ若手起業家が集まった回となりました。
前回同様、若手起業家が抱く社会的課題への深い考察やその解決を目指したビジネスアイデアの共有、そしてメンターとの有意な議論を通じて、デジタルビジネスの重要性とさらなる可能性を確信する1日となりました。

 「OPEN PITCH」選考方法

「OPEN PITCH」は、若手起業家のビジネスアイデアと事業創造に精通した審査員の知見を相乗させることで、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を追及し、実現へ向けてのスピードを加速させるためのコンテストです。
まず、若手起業家が独自のビジネスアイデアを発表します。
次に、審査員である各メンターと順番に1対1で議論し、当初のビジネスアイデアにさらに磨きをかけます。
そして、複数回のメンタリングにより研磨されたアイデアを再度発表し、その内容に基づいて、審査員が優勝者を決定します。
前回に引き続き、今回の「OPEN PITCH Vol.15」も、多様な観点から社会的課題を捉え、ビジネスに対する熱い志を抱いた参加者たちによるハイレベルなコンテストとなりました。
最終ピッチで大きく点を伸ばす方や、大胆なブラッシュアップを加える方が現れるなど、優れたアイデアがさらに突出する契機になったことが伺えます。

「OPEN Pitch Vol.15」審査員コメント

OPEN VENTURES株式会社 代表取締役社長　石井岳之

ブラッシュアップタイムを通じて皆様に良い変化があったことはとても嬉しいです。
ただ今後事業を進める中においては、自分だけの経験や考えだけでは突破できないことがあるかと思います。
そういった時には自分が持っていない良いアイデアを吸収し自分のものにする力が必要になります。
起業家の皆様には一言でも二言でもアドバイスをもらう、そうやって周りを使うことにもっと貪欲になって欲しいと思います。
本日は本当にありがとうございました。

株式会社ReBoost 代表取締役社長　河合聡一郎

事業を飛躍的に伸ばしていく優秀な起業家の共通項は、課題設定力と学習能力、組織を創る為の巻き込み力だと思っています。
スタートアップは成長する過程で様々な壁に向き合うことがあります。
そう言った中でそのような能力を活かして、次のステージに進めるかが大切なポイントだと思います。
今日も午前中と午後で、飛躍的に変化をされて事業モデルも、ピッチも磨き込まれた起業家の方もおりました。
実行力こそがスタートアップにおいて大事な武器になりますので、
課題を設定し様々な視点で学び、周りを巻き込んでいくことで、
皆様のビジョンやミッションの実現に繋がることを願っております。
今日は楽しい時間をありがとうございます。

東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社 取締役／マネージングディレクター　山下翔

共通して言えることは、解決したい問題の定義、その解像度をもう少し上げた方がよいということです。
過去の経験から自分が見たいものだけを見て問題として提案している印象を受ける部分がありました。
メンタリングの際に個別で深堀りしてお話を聞くと想いは持っておられたので、もっと言語化することを心掛けた方が良いと思います。
情熱やロマンを持ちつつも今日始めて会った人に「あなたのビジネスはこうだ」と言われたことを冷静に受け止めて改善につなげる皆様の姿勢は凄いと思います。
これから先も大変なことが続くと思いますが、周りを上手く使って突破してほしいです。

株式会社はてな 取締役　毛利裕二

楽しく聞かせていただきました。
全体としてはどの程度事業計画を練れているかにばらつきがあり、
トラクションの出てきている方とまだアイデア段階の方、そういった違いが結果に繋がったんではないかと思います。
メンタリングにおいて、プレゼンの改善はもちろん、そもそものプロダクトのことについての話をした中で、
その内容を踏まえてしっかりと改善されていたことには驚きました。これからも頑張ってください。
楽しく参加させていただきました。ありがとうございました。

OPEN VENTURES株式会社  アソシエイト 今泉 滉平

一回目と二回目のピッチの違いに驚きました。
メンタリングの中でそれぞれが必要な要素をしっかりと汲み取って反映していたのは素晴らしいことだと思います。
誰にどんな本質的な価値を提供するのか。
ユーザーの生の声を集めている起業家ほど、その解像度が高く、説得力があるため、その解像度の違いが点差に表れたように感じました。
これからもOPEN VENTURESとして何か力になれることがあればお気軽にお声がけください。

「OPEN Pitch Vol.15」結果発表

【優勝】Archers株式会社 代表取締役 杉江綾希子さん

「OPEN Pitch Vol.15」の優勝者は、Archers株式会社 代表取締役 杉江綾希子さんに決定しました。
今回のコンテストでは、優れたビジネスアイデアとして、全メンターからの支持を獲得し優勝となりました。

Archers株式会社『Archers』事業紹介

結婚相談所をC2Cに。生涯のパートナーに出会える成婚率の高いマッチングアプリ。

Archers株式会社の『Archers』は婚活サポーターと二人三脚で婚活ができる紹介型のマッチングアプリです。
既存のマッチングアプリでは結婚に繋がる出会いがない。
一方、既存の結婚相談所は年間30～40万円程の高額な予算が必要となり、敷居が高い。
これらの課題に対して『Archers』は結婚相談所をC2C婚活プラットフォームとしてアプリ上で運営することでを解決を図ります。
これまでにもインターネット型の結婚相談所やコンシェルジュがいる婚活アプリはありましたが、
アプリを通じてC2Cでそれぞれの婚活ユーザーに婚活サポーターが付くことで、
『Archers』は料金が安くてサポートが手厚いという今までになかった価値を提供します。
また、婚活サポーターになりたい一般の人が、自分の個性を生かしてギグワーク的に収入を得ることが出来る点が新しく、現在、主婦の方やマイクロインフルエンサーが婚活サポーターとして活躍しています。
Archersは、人生の中で最も重要な意思決定の1つである「どんな人と結婚するか」という悩みを、人とテクノロジーの融合によって解決できる社会をめざします。

Archers株式会社『Archers』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
Archers株式会社公式HP：https://www.archers.at

「OPEN Pitch Vol.15」の参加を終えて

このような機会をいただき、本当に感謝しています。
5分に削り、磨きこんだものに、更に本当に必要な情報をメンターから頂き、ブラッシュアップするという方法は最高のブラッシュアップ方法だと思いました。
また、メンターの皆様が全員、しっかり向き合ってくださり、本当に役に立つありがたいアドバイスをいただけ、感動しております。
このようなご機会をいただいたOPEN VENTURES様にも大変感謝しております。本当にありがとうございました。

【ベストプログレス賞】京都工芸繊維大学 Cocoro Direct 代表 上ひかりさん

本イベントにおいて、メンターからのアドバイスを基に事業アイデアの大胆なブラッシュアップを行ったチャレンジが称えられ、京都工芸繊維大学 Cocoro Direct 代表 上ひかりさんに「BEST PROGRESS賞」が贈られました。
※BEST PROGRESS賞：起業家の事業プランに対し、本イベントにおいてメンターが助言をした結果、最終ピッチでの”成長”が最も大きかった起業家に送られる賞

『Cocoro Direct』事業紹介

メンタルヘルス患者が安心して医療にかかれる世界を作る

『Cocoro Direct』はメンタルヘルス患者のための医療相談サービスです。
メンタルヘルス患者には「治療方針が合わない」「治療に対する丁寧な説明がない」といった課題感を抱えており、
「状況や不安をしっかりきいてもらい自分に合う治療方針を納得、安心する形で提案して欲しい」といった想いを抱えています。
実際に治療方針が合わないという理由で10ヶ所以上、心療内科やカウンセリングを変更し、回復の遅れに繋がったという起業家自身の原体験を基に着想されたサービスでもあります。
ユーザーアンケートでも64.4%が医療機関が合わなかったと回答し、44%は実際に医療期間を変更しています。
こういった現状に対して『Cocoro Direct』はアプリケーション上で「医療選択のアドバイス」と「治療不安点への回答」について回復まで寄り添う相談サービスを提供することで解決を図ります。
『Cocoro Direct』は「メンタルヘルス患者が安心して医療にかかれる世界を作る」というビジョンの実現を目指しています。

『Cocoro Direct』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
上ひかりさん：Facebookアカウント

「OPEN Pitch Vol.15」の参加を終えて

投資家目線や、医療提供者目線などのご指摘が頂けたのがとてもうれしかったです。
このように短時間でブラッシュアップすることがないため、大変な作業でしたが、まとめていくうちに、自分が今後どのようにビジネスを進めていくべきかが明確になっていきました。
また、他の参加者のブラッシュアップの過程も見られる機会はなく、短時間で様々な業界のビジネスを知ることができ、大変有意義な機会でした。
参加させていただき誠にありがとうございました。

下記では、惜しくも受賞は逃しましたが、ハイレベルな闘いを繰り広げた若手起業家と事業概要について紹介します。

イチグウ株式会社 代表取締役 星野雄大さん

イチグウ株式会社『SCOUTS』事業紹介

勘や感覚に頼る日本の採用カルチャーをデータカルチャーを根付かせることで
採用の在り方や価値観を変え採用における社会問題を解決していきます。

イチグウ株式会社の『SCOUTS』はスカウトデータを簡易的に見れるBIツールです。
これまでのスカウト採用はどの媒体で、どんな人にどんな求人を誰が、どのくらい届けたのかがブラックボックス化されており、
なぜ応募に至ったのか、なぜスカウト配信者によってパフォーマンスが異なるのかを分析することができないといった課題がありました。
『SCOUTS』はこれらの課題に対してスカウトデータをまとめ、可視化することで価値あるアクションにつなげることを可能にします。
イチグウ株式会社は勘や感覚に頼る日本の採用カルチャーにデータカルチャーを根付かせることで、
採用の在り方や価値観を変え、採用における社会課題の解決を目指しています。

イチグウ株式会社『SCOUTS』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
イチグウ株式会社公式HP：https://ichigu.co.jp/

「OPEN Pitch Vol.15」の参加を終えて

はじめてのピッチがOPEN PITCHで良かったです。周りの起業家もおもしろいアイディアで学びにもなりました。

大阪府立大学『up G』代表 中庭健太さん

『up G』事業紹介

『up G』は学生向けスケジュール管理アプリです。
新型コロナウィルスの感染拡大により、大学生の生活は大きく変化しました。
授業の多くがオンライン上で実施され、登校機会は減少、サークルなどの課題活動も活動を制限され、新入生と学生団体の接点が大幅に減少しました。
これらの変化により「学生側の余暇時間の増加」と「団体側の集客の難航」という2つの大きな課題が見られるようになりました。
そこで『up G』はこれらの課題に対して学生向けスケジュール管理アプリを通じて学生の空き時間に学内イベントをリコメンドするサービスの提供を計画しました。
また、本サービスは将来的に就職活動に関わる情報群と連携することで、学生が早い段階から将来就職を希望する企業群の情報に興味を持つきっかけを提供します。

『up G』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
中庭健太：Facebookアカウント

「OPEN Pitch Vol.15」の参加を終えて

ブラッシュアップタイムでは５分で納めきれなかった理念と、最終目標を明確にし、それに沿った展開をできるように作成し直しました。
取捨選択に悩まされ、100分間を存分に生かしたとは決していえないものになってしまいましたが、ある程度の要点は抑えられたかと思います。

プレイリー株式会社 代表取締役 岩川龍之介さん

プレイリー株式会社『SEX LICENSE』事業紹介

自分の性を好きになれる世界に

プレイリー株式会社は、「自分の性を好きになれる世界に」というビジョンを掲げ、性に関するあらゆる社会課題の解決を目指しています。
そのための４つの目標のうちの一つ「SEXを安全なものにする」の実現のため、セックスの免許証「SEX LICENSE」を提供します。
SNSや出会い系アプリの普及により、これまでと出会いの形が変わっていく中で、性感染症の拡大や出会いの中での犯罪被害が問題となっています。
そこでプレイリー株式会社は、セックスの免許証「SEX LICENSE」を提供します。
性的指向などの意思表示、知識の獲得とその履歴によるリテラシーの可視化、相互レビューによる信用の可視化、提携検査センターやクリニックでの検査による性感染症リスクの可視化を行います。
これによって、「相手の有するリスクがわからない状態で対面し加害に会う」もしくは「知らないが故に無自覚に性感染症を放置し広めてしまう」といったリスクを低減することを目指します。
プレイリー株式会社は、性に関する様々な課題に対して、分野を問わない多角的なアクションによって取り組み、誰もが自分の性を好きになれる世界を作ります。

プレイリー株式会社『SEX LICENSE』についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
プレイリー株式会社公式HP：https://www.playrie.com/
プレイリー株式会社公式Twitter：@PlayrieInc

「OPEN Pitch Vol.15」の参加を終えて

ボコボコにしてもらえて楽しかったです！
ブラッシュアップ時はご指摘いただいた内容を踏まえ、「使ってもらうこと」「（お金が動いているところから）お金をとること」を意識して変更を加えました。

次回「OPEN Pitch」について

「OPEN Pitch Vol.15」は、ハイレベルな参加者が競い合うコンテストとなり、デジタル時代の未来を切り開く新たな価値創造の可能性を大いに感じる場となりました。
また、株式会社OPEN VENTURESのCVC事業に繋がる出会いもあり、次回のイベントにも期待が高まります。
次回「OPEN Pitch Vol.16」は、10月30日（土）に開催予定です。

『OPEN PITCH』は毎月開催を予定しており、随時参加者を募集しております。
参加を御希望の場合は下記のページより詳細をご確認の上、ご応募ください。　

過去のイベントが気になる方はこちらをご覧ください。

「OPEN Pitch Vol.13」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol13/

「OPEN Pitch Vol.14」イベントレポート
https://open-ventures.fund/event/open_pitch_vol14/

〈主催〉

株式会社OPEN VENTURES
https://open-ventures.fund/

〈モデレーター〉

株式会社ニューロマジック  取締役執行役員  木村隆二
https://www.neuromagic.com/